校内研究
>>平成23年度以前
>>平成24年度
1.研究主題
自ら判断し よりよく行動しようとする子どもの育成
~ひと・もの・こととのつながりを大切にした「金銭教育」を通して~
2.研究主題およびサブテーマ設定の理由 |
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<サブテーマ「金銭教育」について>
本校は,昨年度から2年間金融広報委員会より「金銭教育研究校」を委嘱された。そこで,金銭教育とはどんなものなのか調べると以下のようになる。
「金銭教育は,健全な金銭感覚を養い,ものやお金を大切にし,資源の無駄づかいを避ける態度を身に付けさせ,それを通じて自立して生きることができ,社会形成者としてふさわしい人間形成を目指す教育です。日常用いているものや金銭を通じて,具体的な日常生活に密着して心の教育を行うことになるため,人間らしい心を育て,力強く生きる児童生徒を育成し,学習や生活に意欲的に取り組む活力を育てることになります。その意味で人間形成の土台となる重要な教育です。」(金融広報委員会ホームページ「学校における金銭教育の進め方」より)
このように,金銭教育を人間形成の土台作りととらえて研究を進めていきたい。
- <教育の今日的な課題より>
小学校では,平成23年度から新学習指導要領が完全実施となった。今回の改訂の基本的な考え方は次の3つである。
○教育基本法改正等で明確になった教育の理念を踏まえ,「生きる力」を育成する。
○知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視する。
○道徳教育や体育などの充実により,豊かな心や健やかな体を育成する。
そして,今回の改訂による教育内容の主な改善事項としては,
・言語活動の充実 ・理数教育の充実 ・伝統や文化に関する教育の充実
・道徳教育の充実 ・体験活動の充実 ・外国語教育の充実
などが挙げられている。
また,キャリア教育の充実が叫ばれ,本県の新やまなし教育振興プランでも重要課題として挙げられている。新卒者の厳しい就職状況,若年失業者やフリーターの増加など学校生活から社会生活への適応に関わる環境が悪化していることや学校教育がそのような状況に適切に対応しきれていなかったことがキャリア教育を重視する要因として考えられる。キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議では,「『キャリア教育』を『キャリア』概念に基づき『児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し,それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度を育てる教育』ととらえ,端的には,『児童生徒一人一人の勤労観,職業観を育てる教育』と」している(キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書 平成16年1月28日)。また中教審ではキャリア教育を『一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育』としている(今後の学校教育におけるキャリア教育・職業教育の在り方について 中教審答申 平成23年1月31日)。このように,キャリア教育の充実あるいは「生きる力」を育成するという観点からも金銭教育を通した教育活動の推進が必要である。
- <学校教育目標より>
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本校の学校教育目標は,
「夢を切り拓く 心豊かで たくましい子ども」
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であり,さらに次の3項目を設け,調和のとれた人間性豊かな児童の育成を目指している。
○進んで学ぼうとする子ども
○思いやりある子ども
○心も体も健やかな子ども
進んで学ぼうとする気持ちを育てるには,学ぶ意義を児童が理解できることが必要である。その一つの方法として考えられるのが,キャリア教育や金銭教育といった日常生活と結び付く教育である。特に金銭教育は,前述したように,日常生活に密着するものであるため,児童の興味関心をひきつけやすく,家庭や地域社会との連携も図りやすい。また,児童の勤労観・職業観を育てる金銭教育は,本校の特色である「ひと・もの・こと」とのつながりを生かした教育活動とつながり,それが本校の教育目標である「夢を切り拓く心豊かでたくましい子ども」の育成にもつながると考える。
- <地域及び児童の実態より>
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本校は八ヶ岳南麓に位置し,周りを田畑や森林に囲まれ,自然環境という点では大変恵まれている。児童の多くは保育園の頃からの顔見知りである。保護者も相互に面識があり,地域全体で児童を教育していこうとする雰囲気があり,学校にも協力的である。
児童は,明るく素朴で,少人数であるためか異年齢間でも仲良く協力して活動する。また,どの教科・領域においても,課題を正面からとらえ,意欲的に解決を図ろうとする態度をもっている。
このような地域及び児童の実態から,本校には,様々なつながりを大切にした環境が整っている。よって,そのつながりを生かした教育活動の推進が,児童の健全な心身の育成に欠かせないものであると考えられる。
- <これまでの研究経過より>
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本校では,平成21年度までの長い間「外国語活動・英語活動」に関わる研究を続けてきた。そこで大切に考えてきたことは“コミュニケーション活動”である。一方向ではなく双方向の話し合いで自分の考えを伝えたり,相手の考えを聞いたりすることを目指してきた。
平成22年度からは,外国語活動・英語活動の研究で培われてきた“コミュニケーション活動”を外国語活動・英語活動以外の場面でも充実させようと研究を進め,国語科における「話すこと・聞くこと」の指導に焦点をあてて,その指導について研究をしてきた。話し方と聞き方のポイントをわかりやすくまとめた「話し方・聞き方あいうえお」の作成,各発達段階における話すこと・聞くことの指導目標の設定,学習意欲の向上を図るための朝学習の位置づけや家庭学習の充実,などを中心に研究し,実践してきた。
これまでの研究の成果と課題を踏まえ,児童がもつ「話すこと・聞くこと」の力を生かし,さらに伸ばしていくために,本校の特徴である「ひと・もの・こと」のつながりを生かした教育活動を進めることは,有効であると考えられる。
以上のような課題・実態・経過から
◇研究主題:自ら判断し よりよく行動しようとする子どもの育成
◆サブテーマ:~ひと・もの・こととのつながりを大切にした「金銭教育」を通して~
を設定した。
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3.研究仮説 |
各教科・領域を通して「人とのつながり」「ものやお金とのつながり」「働くこととのつながり」の大切さを学ばせることによって,子どもたちの感謝と自立の心(豊かな社会性)を育て,子どもたちが自分で判断し,よりよく行動しようとする態度を育てることができるだろう。
kenkyukasetu26.pdf へのリンク
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4.研究内容について |
人とのつながり,ものやお金とのつながり,働くこととのつながりの大切さを学ぶ金銭教育について研究・実践する。具体的には,
○金銭教育の理論研究
○金銭教育の指導計画の付加修正
○金銭教育の指導計画に基づく授業実践
○児童アンケートによる実態把握
などを行う。
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5.研究方法について |
○全教師が共通理解の上に立って授業実践を行い,反省・評価していく。
○全体会・ブロック研の2つの組織で校内研究を行うことを原則とする。
(ブロック研は,研究組織参照。)
○ブロック研は,研究推進委員が中心となり研究を進める。
○ブロック研は年間行事予定に定められている校内研究日を原則とするが,必要に応じて随時開くものとする。
○授業研究を中心に,指導主事等の指導を仰ぎ研究を深めていく。
○研究推進委員会は,校長・教頭・教務主任・研究主任・研究副主任で構成し,研究推進に関わる連絡調整等を行う。
○研究推進委員会は,必要に応じて開く。
○校内研に関わる諸会議は,原則として勤務時間内に終了できるように努める。
○他校の公開研究会の参加にあたっては,学校長の許可を得たうえで,積極的に行う。また全体会において,環流報告をする。
○年度末に研究紀要を作成し,研究の成果等を残す。
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6.研究組織について |
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7.研究計画 |
月 |
日 |
曜日 |
校内研究 内容 |
備考 |
4 |
7 |
月 |
<全体会>昨年度までの研究について
・今年度の研究の方向性の確認 |
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5 |
8 |
木 |
<全体会>研究の方向性と研究の概要について
・研究全体計画(研究主題・研究内容・研究計画等)の作成と検討 |
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19 |
月 |
<全体会>金銭教育についての理論研究
(講師:金融広報委員会アドバイザー 数野勝彦先生) |
講師招聘 |
6 |
2 |
月 |
<研究授業>第3学年 道徳 内藤茂樹教諭
<全体会>研究授業の検討会
(指導主事招請:秋山克也先生) |
指導主事招請 |
7 |
7 |
月 |
<全体会>金銭教育について(学習会)
・本校の金銭教育についての理論研究 |
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9 |
水 |
<研究授業>第1学年 道徳 坂本千津子教諭
<全体会>研究授業の検討会
(指導主事招請:田中一弘先生,安孫子繁先生,秋山克也先生) |
指導主事招請 |
7
8 |
24
~
21 |
木
木 |
<ブロック研>指導案づくりⅠ
・各自指導案作成とブロックによる指導案検討(適宜実施) |
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8 |
22 |
金 |
<全体会>指導案の作成・検討と共通理解
・「ひと・もの・こと」とのつながりを意識した指導案の検討と,本校の金銭教育の目標や指導内容との関連を図るための理論研究
・公開に向けての取り組み確認 |
|
9 |
1
~
7 |
月
日 |
<ブロック研>指導案づくりⅡ
・各自指導案作成とブロックによる指導案の再検討(適宜実施) |
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9 |
8 |
月 |
<ブロック研>指導案づくりⅢ
・金融教育(金銭教育)の目標・内容について
・目標及び内容を中心とした指導案づくり |
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9 |
9
~
16 |
火
火 |
<ブロック研>公開指導案の検討Ⅰ
・各自指導案作成とブロックによる指導案検討(適宜実施) |
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|
17
~
29 |
水
月 |
<自主研>
・各自,指導案に基づく資料及びワークシートの作成 |
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30 |
火 |
<全体会>公開指導案の検討Ⅱ
・指導主事による指導・助言
・指導内容・指導過程・評価について
・指導案作成についての留意事項について
・言語活動の充実について
(指導主事招請:安孫子繁先生) |
指導主事招請 |
10 |
1
~
19 |
水
日 |
<ブロック研>公開指導案の検討Ⅲ
・各自指導案の校正と最終検討
(適宜実施) |
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20 |
月 |
<全体会>公開指導案の最終検討Ⅳ
・「授業単元と金融教育・金銭教育との関係」に基づいた指導案最終検討
・目標,指導内容,指導過程,評価,ワークシート等についての共通理解と教育機器の効果的な活用について |
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27 |
月 |
<全体会>公開研究発表に向けて
・公開指導案見直しと全体確認
・教材づくり及び学習環境づくりについて
・当日の運営について |
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10
~
11 |
28~
11 |
火
~
火 |
<各担当>
・学校環境づくり,教室環境づくり |
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11 |
12 |
水 |
公開前日準備 |
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13 |
木 |
金銭教育公開研究発表会
・授業公開
・金銭教育講演会
(公開授業・講演会のご案内)
(公開授業・学習指導案/授業風景) |
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12 |
17 |
水 |
<全体会>授業実践のまとめ
・各クラスの授業実践の反省
・保護者アンケートの結果と考察 |
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1 |
19 |
月 |
<全体会>今年度の研究のまとめⅠ
・授業実践を終えての成果と課題について
・児童アンケートの実施について |
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2 |
16 |
月 |
<全体会>今年度の研究のまとめⅡ
・児童アンケートの結果と考察について
・今年度の研究の成果と課題について
・来年度の研究の方向性について
(本年度の研究の成果) |
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